復活の狼煙
2020年5月18日

院内感染発生から3週間が経過し、待機してくれていた職員も復帰し、かつ新たな職員の感染が生じていないため、院内感染は終息したと判断しております。
本館の患者さん等への感染の拡がりを防止できたことは、皆さんの感染予防対策の賜物であると考えています。
ご協力に感謝すると共に、今後も気を緩めることなく感染予防への対応継続をお願い致します。
「院内感染の拡がりなし!」との判断から、2020年5月12日よりまずは当院の本幹である救急・急性期診療をほぼ従来通りに開始し、まさに復活の狼煙を上げたところです。

今後はあくまでも原則としてですが、感染患者さんが4名以内になった時点で、急遽増床した9床(旧緩和ケア病床)を一旦閉じて、それまでの担当職員には2週間自宅待機をしていただきます。
その復帰に合わせて、5階西病棟を開棟します。さらに、感染患者さんがゼロになった時点で、感染症病棟を一旦閉棟し、その担当職員には2週間の自宅待機をしていただき、復帰と同時に4階東病棟を開棟する予定です。メンタルヘルス科の病棟移動については、感染患者さんとメンタルヘルス科の患者さんの交わりがないという 条件が確実に担保できれば、現時点でも可能と考えております。

我々は様々な経験を積みました。
このウイルスのしぶとさ・手強さ・いやらしさを知りました。
我々は感染症病棟 13 床を運営するために、結果として当院にある8病棟の内2病棟を閉棟して対応しました。
実に、全病院の四分の一の人財を振り向ける必要が生じたことになります。
また、それだけのマンパワーを投入しないと、現場の職員を守り、感染を防御しながら医療・看護の質を維持することが困難であることを学びました。
このウイルスの第一波は当院にとって非常に大きなものでしたが、この経験を糧に第二波、第三波に備えなければなりません。
意識的にも実務的にも、通常診療の中に感染診療を組み入れながら、地域で感染患者さんが再び発生したときには、その受け入れに即応できる体制を構築しておく必要があります。
これには常に変化できる組織の柔軟性が最も重要であり、まさにカメレオン病院の真価が問われていると思います。

全職員でチャールズ・ダーウィンの名言「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることができるのは、変化できる者である。」を噛みしめましょう。