〒034-0093
青森県十和田市西十二番町14番8号
TEL:0176-23-5121(代表)
十和田市立中央病院では、最新放射線治療装置「トモセラピー®」を導入し、がん治療を行っています。
この「トモセラピー®」は、アメリカのaccuray社が提供する放射線治療の最先端テクノロジーです。
(正式名称:TomoTherapy® Radixact® treatment system [トモセラピー®ラディザクト®システム])
日本では、「トモセラピー®」として認知されるこの最先端テクノロジーは、国内では約100台稼働しており、東北地方では十和田市立中央病院が初めて導入しました。
2013年、最新の「トモダイレクト」にバージョンアップし、ヘリカル回転照射に加えてダイレクト(固定)照射により、大幅に治療時間を短縮することが出来るようになりました。
2021年、「Clear RT(KVCTシステム)」「Synchrony(動体追尾システム)」の両方を搭載する、最新システムにアップグレードされました。(アジア地域で2番目、国内では初号機)
トモセラピーの放射線照射イメージ
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「トモセラピー®」は、CT(コンピュータ断層撮影装置)とリニアック(放射線治療装置)を一体化させた装置で、正確に病巣部の照射部位と形を把握し、腫瘍に対してピンポイントに放射線を集中照射することが可能です。
放射線照射装置が体の周りをらせん状に回転し、コンピュータ制御寝台が前後に移動するので、周囲360度、前後51カ所の方向から照射することができます。
また、IMRT(強度変調放射線治療)と呼ばれる最新の照射方法を採用しているので、がんの形、部位、大きさに合わせて照射量や強度を変化させることで、腫瘍以外の正常組織への侵襲(影響)を減らすことができます。
「トモセラピー®」は、様々な部位のがん、様々な大きさのがん、そして、様々ながんの個数に対応できるだけでなく、正確な放射線照射治療による副作用の少ない、体に優しい治療が可能なのです。
十和田市立中央病院では、総合内科を中心に専門スタッフの充実に力を入れており、常勤の放射線治療専門医、医学物理士、放射線治療専門技師、放射線治療品質管理士が在籍しております。
この専門スタッフにより、根本的放射線治療から緩和的放射線治療まで幅広く患者さん中心の質の高い放射線治療をご提案しております。
また、「トモセラピー®」による放射線治療をはじめとして、外科治療、化学療法、そして緩和ケアといったあらゆる治療法の中から最適な治療をご提案しています。
治療実績については、地域医療連携部にお問い合わせ下さい。
まずはお電話を。係の者が、紹介上・手続等をご案内します。
患者さんにとって「トモセラピー®」による放射線治療が適切な方法であるか診察により判断いたします。また、院外からの患者さんの場合は紹介状をお持ちになり、地域医療連携部へお越しください。
治療を始める前に「トモセラピー®」でCT撮影し、体内の腫瘍を画像で確認(IGRT:画像誘導式放射線治療)します。治療範囲を確認後、治療期間中に姿勢を一定に保つための固定具の作成や大まかな位置あわせのためにマジックで印をつけたりして、治療計画を立てます。
計画時の姿勢でCT撮影し位置を調整後、「トモセラピー®」による放射線治療を開始します。
1回の治療時間は20分程度で、従来の放射線治療装置よりも多く治療時間が必要になります。
回数は様々ですが原則的に月~金曜日まで週5回の照射を繰り返します。典型的な症例の場合、前立腺癌では37回、乳癌温存術後予防では25回程度の照射を行います。
10分程度動かずにじっとしていられない症状の方、また、病変が広い範囲にわたり「トモセラピー®」による放射線治療効果が望めない方の場合は、最適な治療方法をご提案させていただきます。
2008年当院が全国で10番目、東北地方で初めて導入した最新鋭の放射線治療装置で、トモセラピー自体でCT撮影を行い、がんの複雑な形状に合わせて放射線を照射することができる装置です。強度変調放射線治療と呼ばれています。従来型に比べ正常な臓器へのダメージを減らし、より身体に優しい放射線治療が可能です。
電話では治療に関する判断はできません。放射線治療がいいのか、それとも手術・抗がん剤等ほかの治療がいいのかといった治療方針は、がんの大きさや部位、がんの性質、全身状態などによって決まります。照射対象かどうか、治療効果はどうかについては、状況や目的により人それぞれ違いますので、当院では放射線治療専門の医師が検査データをもとに慎重に判断しています。電話やお話しだけでは判断できかねますので、現在の主治医からの診療情報提供書を持参し、ご予約の上担当医へご相談ください。
放射線科(または各診療科)の受診が必要になります。診療は完全予約制になっていますので、現在の主治医から診療情報提供書を記入していただき、地域医療連携部(0176-23-5869)で予約をお取りください。
1回の治療時間は10~30分程度、月曜から金曜の週5回を繰り返して治療します。がんの種類や大きさによって照射回数は変わりますが、典型的な症例の場合、前立腺がんで40回程度、乳がん予防(乳房温存術後)で25回程度の照射で治療終了となります。
治療前にCT撮影により病巣を画像で確認の上治療計画をたてますので、治療スケジュールについては担当医へご確認ください。
外来通院での治療が可能です。仕事を続けながら治療をされる方もいらっしゃいます。ご自宅が遠方の方や症状により入院して治療を受けることもできます。
トモセラピーは健康保険が適応されます。高額療養費制度を利用して治療費の自己負担分を軽減することもできます。自己負担限度額は年齢や収入によって変わり、70歳未満の場合5つの区分に分けられます。例えば、70歳未満一般所得者(標準報酬月額28~50万円)の場合はひと月の上限額が9万円程度となります。自己負担限度額について詳しくはご自身が加入している健保組合にご確認ください。
放射線科受診から治療開始まではおおむね4~5日です。放射線科受診は予約制ですので、予約状況によっては希望日より1週間程度お待ちいただく可能性もあります。
また、泌尿器科など担当科の受診や治療前に検査が必要となる場合もあり、各科の予約状況や検査予約状況によって治療開始までお時間を頂く場合もあります。
過度に負担がかかること以外は通常の生活で構いませんが、いくつか注意しなくてはならないこともあります。たとえば喫煙・飲酒はさけることや照射部位の皮膚は炎症で弱っていますので、温泉は控えていただき、入浴中も強くこすったりしないようにします。また、部位によっては食事内容に気を付けなければならないこともあります。詳しくは、治療前に放射線専門の看護師よりご説明します。
放射線治療中に起きてくる早期合併症と、照射後数年後に起きる晩期障害があります。照射部位によって口腔内乾燥や咽頭痛、頻尿、下痢、皮膚炎などが生じる場合もありますが、トモセラピーは従来の放射線治療と比較すると頻度や程度は低いとされています。担当医が定期的に診察し、副作用の確認を行って対処しますので、我慢せずにお申し出ください。
現在の主治医へ申し出て情報提供書を記入してもらい、事前に当院の受診予約をお取りください。
(統計やデータに関すること)
2018年の照射実績は135例で、照射部位別には前立腺40%、骨10%、骨盤内10%、乳腺20%、肺10%、頭頸部・その他10%となっています。原発別では前立腺疾患が40%で最も多く、乳腺、肺、子宮、食道の順になっています。
治療効果はその方の治療目的によって指標となるデータが変わるため一概にはお答えできませんが、治療開始前に担当医と十分に話し合い治療計画をたてますので、納得して治療を受けていただきたいと思います。
トモセラピーでの副作用発生率は一般的な放射線治療と比較すると、かなり少なってなっています。全く副作用がない方もいますが、照射部位によっては必ず副作用がでる場合もあります。
がんが疑われるとまず、がんの診断や病期、治療方針を決めるための検査の他、全身状態や臓器の機能を確認するための検査が行われます。画像検査(CT、MRI、RI、PET-CT、エコー等)、血液検査、病理組織検査、その他検査など必要な検査は個人によって異なります。治療計画ではCT検査を行います。
「トモセラピー®」による放射線治療は、世界的にも非常に高い治療効果が期待されております。日本国内で導入されている医療機関が非常に少ないことから、治療予約に半年以上も待つほど期待されている治療法です。
当病院では、十和田市内に限らず、県内外からも治療のご相談を受け付けております。
現在は、一週間程度で予約が可能な状況です。
上十三地域をはじめ県内外の、がんでお悩みの方々に、是非「トモセラピー®」による放射線治療をご提案していきたいと考えています。
「トモセラピー®」による放射線治療をはじめとする、がんのご相談は、本館1階地域医療連携部内のがん相談支援センターへお問い合わせください。