一人一人の人間としての尊厳が大切にされ、誰もが安心して暮らし、誰もが人間らしく生きることが出来る地域社会を構築し、地域住民の命を見守り、支え、繋いでいくために、上十三地域の医療機関、介護機関、福祉機関、行政機関、および地域住民と連携し、効率がよく、安全で、温かみのある医療を提供します。
治る病気を持った人に対しては、効率のよい安全な医療が提供されると同時に、速やかに自宅の生活に復帰できるプログラムが提示され、病気が治らない人に対しては、病気を持ちながらも安楽に自宅で生活できるプログラムが提示されるような医療システムを構築します。
このために、チーム医療を核とした院内連携とともに、幅の広い円滑な院外連携を構築し、安全で質の高い地域完結型医療を目指します。
緩和医療とは、人間一人一人が楽に生きることを支援する医療の理念であり、 この理念はがんの末期にかかわらず、すべての病状に適用できるものです。
この理念を全職員が理解し、病気を持った人や障害を持った人の人権や尊厳を重視した思いやりや温かみのある医療を展開し、身体的および精神的苦痛を緩和するための治療およびケアを積極的に提供します。
また、誰もがいつかは死を迎えることを自然のこととして捉え、その瞬間まで家族とともに、ご自宅を含めた希望する場所で、人間らしく生ききることができるように医療的側面から支援します。
地域保健と密接に連携をとりながら、がんや生活習慣病などの検診率向上に積極的に取り組みます。
この拠点としての健診センターを充実させ、地域住民の健康教育を推進し、短命県という汚名を返上するために全力を尽くします。
定期的に根拠(エビデンス)に基づいた医療(EBM)が実践されている割合を示すQIを測定し、全職員一丸となってその改善に努めます。
医療を受ける本人に提示される診療の内容は、個人の経験だけに基づくものではなく、できるだけ事実として有効性が高いと証明されているものでなければなりません。
また、説明に際しては、どのような疾患であっても、医療を受ける本人に説明が行われ、理解できる言葉でわかりやすい説明が行われなければならないと考えます。
その上で、医療を受ける本人の納得のゆく医療を協働して行うことを目指します。
病院の理念に賛同する人材をひろく求め、積極的に育成するとともに、医療実践の場を提供します。人材は貴重な資産であり、その価値を高めるように努めます。
働きやすい職場に良質な医療が宿るという考えのもと、病院内で働く人々が誇りを持って快適に働くことができるように、全職員の健康を第一に考えながら、職場環境の整備に取り組みます。
病院経営の健全化を目指すために、病院運営および病院経営の透明化をすすめます。
また、職員全員がコスト意識を持ち、医療はサービス業であるという意識を持って医療を受ける人に対応します。
各部門が常に収支を分析し、増収および支出抑制を図ります。
患者さんは医療への参加と医療者との協働に関して権利と責任を有します。この方針に基づいて、病院職員は下記の患者さんの権利を尊重し、質の高い医療を提供します。
患者さんの権利
「患者の権利に関するリスボン宣言」抜粋(1981年 世界医師会総会採択、2005年10月修正)
患者さんの責任
十和田市立中央病院のすべての職員は、以下の倫理規範を遵守し、医療およびケアを行います。
十和田市立中央病院では、宗教上の理由により輸血を拒否する患者さんの意思を尊重し、できるだけ輸血を伴わない最善の処置を行いますが、生命維持に不可欠な場合は輸血を行う(相対的無輸血の)方針を取っております。
この方針を受け入れることのできない患者さんには安全な医療を確約できないため、転院を勧めます。