2020年4月1日より、前事業管理者である松野正紀先生の命を受け、その業務を引き継がせて戴くことになった丹野弘晃と申します。
これまで院長職としても大変お世話になりましたが、改めてよろしくお願い致します。
さて、人口減少・高齢化が急速に進行する地域で、医療を維持し展開していくためには、柔軟に変化できる組織体にならなければなりません。
私見ではありますが、トップダウン的な地域医療構想の実現とボトムアップ的な地域包括ケアシステム構築の方向性は一致しており、当院の病院機能を維持継続するためにも、この流れを見極め対応しなければなりません。
これを踏まえて、当院は規模的にも地域的にも、「地域多機能型病院」即ち患者さんの状態に応じて柔軟に色を変えて対応できる愛称「カメレオン病院」を目指すことにしています。
具体的には救急診療・がん診療等の急性期診療を中心に、回復期診療のための地域包括ケア病棟と在宅診療に対応するための附属とわだ診療所を備えており、地域の変化に即応できる体制を構築しているところです。
地方公営企業でもある当院は、医療の公共性という公営性と経営という企業性を両立させながら存立し続けなければなりません。 当地に院長として着任した時の初心を忘れずに、医療の質と経営の質のバランスを強く意識しながら、今後の病院運営に取り組んで参ります。
当院ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
十和田市立中央病院院長としてご挨拶申し上げます。
当院は、昭和9年開設の上北病院に始まり、今年で91年を迎えます。
現在の病院になってからは17年経過しました。
「いのちをみまもり、いのちをささえ、いのちをつなぐ」が当院の理念であり、急性期医療、脳卒中医療、心血管疾患医療、がん医療、救急医療、災害医療、予防医療、緩和医療、在宅医療、精神医療などに尽力し、地域連携と住民の生活を重視しています。
本年度の当院の診療体制に関しご説明します。
診療制限しておりました消化器内科は常勤3人体制に加え非常勤の応援もあり、内視鏡検査、治療を主体として、救急、健診に十分な体制が整いました。
また、総合診療科は専攻医プログラムに新たに3名登録され、これまで以上に活躍が期待されます。
昨年度から常勤となりました眼科に関しては、各所から良い評価をうけており、手術を中心として当地域に貢献しています。
当院は国から認定されている県内5カ所の地域がん診療病院であり、胃がん、大腸がん、膵胆道がん、肝がん、肺がん、泌尿器がん、婦人科がんなどに対し、診断、そして手術、抗がん剤、放射線治療装置トモセラピーをガイドライン等に従い治療しており、
最新のマンモグラフィ撮影装置に更新し、増加傾向の乳癌の早期発見につなげています。
救急医療に関しては、心筋梗塞などの循環器疾患、脳卒中などの脳疾患など専門性の高い分野にも対応しています。
また、県内では対応している施設が少ない精神科救急にも積極的に受け入れています。
また、当院は県内に13施設ある臨床研修病院で、今年も6名の初期研修医を迎えています。
研修は院内のローテートに加え、地域の開業医院や老人保健施設、保健所など、より地域に寄り添った研修、弘前大学病院や青森県立中央病院などで専門性の高い研修も併せて行えます。
これまでに研修を終了した医師は青森県内のみならず、全国で活躍しています。
さて、今後の当院は、これまで示されていた地域医療構想、すなわち少子高齢化による中長期的な人口構造や地域医療ニーズの質・量の変化を見据え周辺医療機関との機能分化・連携を進め、良質かつ適切な医療を提供できる体制の確保に加え、医療だけでなく高齢者の終末期も考慮した介護分野も包括し、より地域に密着した医療と福祉を提供する必要があると考えます。
医師に関しては、働き方改革と称する適切な労務管理の推進、休息時間の確保、タスクシェア/シフトなどの取り組みを継続しています。しかし、そのほかの職種に関しても、健康に働けるよう気を配る必要があり、人口減少により当院の医療スタッフが確保できない事態に陥らないよう対応していきます。
最後になりますが、上十三医療圏の中核病院として地域の皆さんに信頼され愛され、また職員が誇り、やりがいを持って働けるよう取り組んでいきますので、一層のご支援をよろしくお願いいたします。